それは『経験』だろーが
ドラマ・漫画・映画などなどを見ていて「けっ、レベル低っ」と醒めてしまう瞬間ってありますよね。
色々あるのだけど、それなりの年齢(三十路以降でしょうか)それなりに見識のある役のはずのキャラが、こんなセリフを喋っていると私は一気に醒めてしまいます。
「お前があいつに負けたのは経験値の差だ」
けっ、くだらねぇ。
それは経験値の差ではなく経験の差だろーが。
ロープレかっちゅーの
良く注意して見ていると、最早「経験値」のほうが良くつかわれているぐらい。
とりわけ、バラエティやスポーツ中継なんかじゃそう。
「○○選手には圧倒的な経験値がありますからねぇ」
けっ、なんじゃそりゃ。あと300程経験積めばレベルがあがってイオナズンでも使えるようになるんかい
いやさ、ドラマ・漫画・映画などで子供役が使っているならわかる。
現実にそんな使い方をしてしまっている子供(大人もだけど)が多数いる以上、そのまま表現するのがリアリティってもんだろーさ。
しかし、例えばNHKの中年アナウンサーが『経験値』はねーだろーと思う。思うけれど、実際にはごくごく当たり前に使っている。
そりゃ、言語は変遷するさ。しかし、ある程度世代の抵抗の力があってこそ、有意な変遷と無用な変遷がふるいにかけられ、『変わるべきもの』が変遷していくのが正しい在りようってもんだ。今の日本では抵抗すべき世代が率先して言語を歪めてしまっているように思えてならない。
変わるのは悪いことではない。しかし、『経験』を『経験値』に置き換えることには何ら積極的な意味がない。
ゲームの中では数値化せねば比較のしようがないため『経験値』でも良い。
しかし、現実世界の経験は数直線上の位置だけを示せばよいような単純なものではない。個々の経験は質的にも量的にも無限のバラエティを持つ。その個々の経験がさらに無限に重なり織りなし紡ぎあげるものなのだ。
『経験値』は『経験』の意味を包括した言葉ではない。
『経験』を『経験値』と表現することは完全な誤りである。
この誤りを平気でおかす脚本家やアナウンサーは多いに恥じるべきだと思うぞ。
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コメント
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NHKのアナウンサーの迎合ともいえると思います。昔と
違って視聴率を気にするようになったということとどこ
かでつながっているような気がします。
投稿: カズ | 2008年5月29日 (木) 14時51分
♪経験♪
辺見マリさん(辺見えみりのお母さん)が歌っていた歌謡曲のタイトルですね(^^;
投稿: こまねちちゃん | 2008年5月29日 (木) 17時11分
今晩は > カズさん,こまねちちゃん
なるほど迎合ですか。
最近のNHKのアナウンサーには何だか本当に見識が感じられない気がします。
あー、わたしにとっては辺見えみりが辺見マリの娘なのにっ!^^;
投稿: のんきんぐ | 2008年5月29日 (木) 23時21分