被災地に総理は必要か
本日0時過ぎ、東北地方でかなり大きな地震があった。
震源地は岩手県沿岸北部でマグニチュードは6.8程度らしい。
私が記事を見た段階では100名弱ほどの負傷者がおられたようだ。
被災なさった方には心よりお見舞いを申し上げたい。
ちなみに震度は6弱。
先日書いたことのおさらいを少しだけしておくと、「100名弱」は「100名よりちょっと少ない」の意味で、「震度6弱」は「震度6の地震のうち弱い部類のもの」という意味ですからね!
・・・この気象庁震度の呼称を、『震度6前』『震度6後』に改める運動を起こしたいぐらいだわさ。
でも、今回話題にしたいポイントは別にある。
『首相の被災地入り』についてだ。
かつて、阪神淡路大地震の際は私も大阪にいて被災したのだけれど、マスコミのトンチンカンの報道のなかで、とりわけ気になったのが、村山首相の被災地入りに関するものだった。
そもそも、被災者としては、沢山のボディガードを要するVIPなんぞに来られるのははっきりいって迷惑だ。首相が来て、被災者と握手をしたからといってそれが一体何なのだ。それよりも、自衛隊や物資、ボランティアが運ばれてくるほうがずっと良いに決まっている。
それなのに、当初は被災地入りしないことを非難がましく報道し、結局首相が被災地入りを余儀なくされた際には、『来るのが遅すぎる』という怒りの声をあげる老人の姿が報道されたのだ。
私は強い違和感を感じて、会う方会う方に尋ねたものだ。
『首相が被災地入りなさったことについてどう思う?』
努めて意見の混ざらぬフラットな調子で尋ねたのだけれど、結局ただの一度も『被災地入り歓迎』という声に出会うことはなかった。折しも、被災後のゴタゴタで知らない方と言葉を交わす機会も多い。少なくとも、300名以上には尋ねたと思うけれど、殆どが『迷惑』という意見だったのだ。驚くほどのことでもないけれど。
では、報道番組で怒りの声をあげていた老人は一体なんなのだ。
・・・ヤラセだ。
もちろん、その老人は本気でそういったのかもしれない。
それでも、圧倒的少数派の声だけを探し出して報道したのなら、それはヤラセでしかないし、事実そんなところだったのではないかと思う。
首相が無用だといっているのではない。
言うまでもないが、内閣総理大臣は行政機関の中枢であり、目でもなければ手足でもない。
首相には、報告をうけて判断を下すという極めて重要な職務があるのだ。
現地を視察に行くことや現地で汗水垂らすことが仕事ではないし、そんなことをしていてもらっては困るのだ。
それなのに、ただでもクソ忙しい首相の公務をストップさせて、迷惑をかけるためだけに被災地へ赴かざるを得なくなるのは、紛れもなくマスコミの質の低さが原因だし、同時にそれを支持している我々のレベルの低さのためだ。
馬鹿げた報道番組を見てはいけない。
はっきりと視聴率の低さをもってノーを突きつけるべきだ。
馬鹿げた報道については『馬鹿げているぞ』とブログにでも書いて公表するべきだ。
マスメディアの「お客」である視聴者の好みが決して一様ではないことをなんとしても知らしめるべきだ。
『福田首相の現地入り』に関する報道が流れているのを聞いて、つくづくそんなことを思ってしまった。
・・・いやさ、案外このあたりが日本の一番のアキレス腱だと私は思うよ。
不勉強極まりない素人キャスターが独りよがりのセンチメンタルな正義感でトンチンカンなことをほざく報○ステー○ョ○なんて、1秒たりとも見るべきではないと思うねー。
まぁ似たりよったりのレベルの報道番組(風ワイドショー)が多いけどね。
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コメント
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おっしゃる通りです。
私は被災したことがないので
当事者として話できませんが
首相の現地入りなどは見ていて
笑ってしまいます。
それに、コメンテーター。
もちろん色々なことを知っている方、
よく勉強されている方もいらっしゃいます。
けど自分が同じ立場になったこともないのに
代弁者面するのはおこがましいですね。
おっと長くなっちまいました。
投稿: さんぴん太郎 | 2008年7月24日 (木) 14時08分
ともたんも大きな地震の当事者では無いけど
首相はくる必要無いよね!
行ってただ握手するだけなのん?
本当無意味な行動!
はた迷惑だねぇ~!
国から災害救助金とか出るでしょ~
あれって政治家の人達もポケットマネーから
寄付金とか出せば~!って思う!
せめてポケットマネーから
出して少しでも本当の意味で
国民の為に!って姿勢があって
行動してたら又訪問しても
歓迎される度合いも違うかもね?
首相訪問なんていらない!
投稿: ともたん | 2008年7月24日 (木) 14時47分
私も総理や大臣の被災地入りはパフォーマンスにしか見えませんね。
立場によって役目が違います。まずは役目を果たすことを優先的にやるべきだと思います。
報道の件ですが
『被災地で、インタビュアーに「今、何が食べたいですか?」と訊かれて「焼き肉が食べたいです!」なんて返事したらTVには絶対映りません。ここは「おにぎり!」と答えなければ。』と何かの本で読んだことがあります。 みょ~に納得しました。
あと、報○ステー○ョ○は時々おもしろいですよ。
たばこが千円になりそうだというのをやけに批判しているなぁと思いながら聞いてたら、その直後にJTのCMが入るんだもん。思わずズッコケました。
それから、お天気の市川寛子さんが好きなんですよねぇ。
22時40分ごろはドキドキタイムです。(^_^;)
まぁ、あのキャスターは、
サッカー日本代表の試合後に、
「勝ち点3を狙いにいったんですけど、結局は2-0で2点しか取れなかった。このあたりについてはどうお考えですか?」
などと、わけわからん質問をする人ですから・・・(*^_^*)
投稿: aim | 2008年7月24日 (木) 17時14分
昨日は、前回の宮城岩手内陸地震より揺れが長く感じました。前回の時は、次男が怪我をし被災しました。わたしは、仕事中である会社の駐車場にいました。ちょうど土曜日で会社や学校が休みで発生当時、私はひとりでした。本当に陸地全体が上下左右にはげしかったです。それ以来時々地震の災害の夢をみます。トラウマになってしまったかも。
今回は、何事もなかったけれど、長男の小学校は校舎に朝入れない位壁が崩れ照明が落ち大変だったようです。
総理大臣については、来てもいいけど迅速な被災への対応ができればが前提ですけど。
それにマスコミは情報を伝える大きな役目がありますが心情に振れることは、軽々しくしてほしくないですね。
投稿: roken | 2008年7月24日 (木) 20時05分
報道のレベルの低さがいけない
と思います!!
私達が見てるのはあくまでも
「作られた報道」ですから!!
不幸を散々報道したり・・・
もう見たくないですもの・・・。
投稿: こつこ3 | 2008年7月25日 (金) 00時00分
よくニュースで震源の深さとか8キロとか言うってますが、あれはどうやって調べてるのかきになるぅーーーーw
投稿: 8732 | 2008年7月25日 (金) 12時04分
(。・ω・。)ノこんにちは~★゚・:,。゚・:,。☆
確かに。
総理に来られても。。。
マスコミの質の低さ・・・ほんと問題ですね。
ほんとうに大事なことを報道しないで、どうでもいいこと(視聴率狙い)を永遠にやっているところが。。。ねぇ(`´メ)
足跡コメント(人∀`●)アリガトゴザイマス!
私も応援っ゚+。:.゚ヽ(*´∀`)ノ゚.:。+゚
投稿: rin | 2008年7月25日 (金) 17時32分
>さんぴん太郎さん
なんのなんのもっと長く書いて下さってもかまいません。
私より沢山書いてくれてもいいぐらいです。
>ともたん
そもそも首相の方にも行くメリットなんてないのですよねー。
毎度、馬鹿のマスコミと馬鹿な野党にあおられて行かざるを得なくなっちゃう。
>aimさん
パフォーマンスではあるけれど、総理や内閣主導で行うパフォーマンスではなく、マスコミにやらされて仕方なく行うパフォーマンスなのですよねー。
被災者にも迷惑、総理にも迷惑、そんなところに税金を使われる他の国民にも迷惑。
○道○○○シ○ンにはその手のマヌケな面白さはあるかもしれないけれど、私ははっきりと「不信任」を示すべきだと思うのですよ。視聴率です。
お天気の市川寛子さんとスポーツの報道だけ見るとか。
ヽ(^o^)ノ
>rokenさん
私も阪神淡路の後、なんだかちょっと「ほうけた」ような状態になっていたようです。
折しも、某宗教団体の非現実的な印象の事件報道が延々と続くなか、ただぼーーーっとテレビみてました。
>こっこ3
全くです!
いま一番日本の足をひっぱっているのはマスコミだと私は思ってます。
ワイドショー的なヒキのある事件ばかり報道して、本当に大切な問題はほったらかし。失言なんかじゃない筋の通った発言も、前後を意図的にカットして「失言」を作り上げて大騒ぎして政治をマヒさせる。
本当にカスだと思います。
>8732さん
物理学の教科書を開けば計算方法がのってますよー。
あ、地学でものってるかも。
ヽ(^o^)ノ
>rinさん
質の低いマスコミが野放しになるのは、結局私たちが支持しているからだと思うのですよね。
視聴者の究極の権利「見ない・聞かない」を行使するべきだと私は思うのですよ。
ヽ(^o^)ノ
投稿: のんきんぐ | 2008年7月25日 (金) 18時18分
今回の地震は直撃でした。そろそろ寝ようかと思った所にグラグラグラ。
首相なんか来ても数時間でトンボ返りして何も出来ないんだから費用使うだけ無駄ですよ。ヘリ飛ばす金で他に出来ることを考えてもらったほうがいい。
投稿: 鯨 | 2008年7月25日 (金) 20時52分
被災地に総理が行くのは、確かにパオーマンス。只、国際的にも、被災者に対して、国は援助するという約束みたいな物。其れはともかく、ボランティアの人、大変ありがたいのだが、援助物資の食事や、水を飲むのは、元来違反行為。自分の物は、自分で持っていくのが当たり前である。小生は、地学技師で、淡路阪神震災の時は、磁気探査技師として現地に6時間後到着、72時間吸湿のための探査(発見)に人力を尽くすよう、当時の総理府から派遣された。空気濃度を測り、二酸化炭素が多いところをハイパーレスキューや自衛隊に掘削させる仕事をした。無論手遅れもあるが、23人救出できたと後で聞いた。その他、物資の流通を指揮するプロがボランティアで行ったが、役所が受け入れず、物資は余り、現地では足りない有様。雲仙普賢岳の経験者が来て、だいぶ助かったと聞く。今、地震が多すぎて、技師不足。中国にも、派遣されているので、余計大変な状態である。
投稿: 黄昏聖兵衛 | 2008年7月27日 (日) 00時03分
>鯨さん
あらら、大変でしたね。
何はともあれご無事で何よりです!
>黄昏聖兵衛さん
約束は声明として出せばよいですものね。
私は総理が積極的に出向いているのではなく、常にマスコミの作り出す疑似世論先行で「行かされている」ことを問題視しています。
聖兵衛さんのような専門職の方はもちろんですが、ボランティアは質の如何に関わらずありがたいものですよ。
阪神淡路の際は、物見遊山で来ているヤジウマボランティアが多いと非難されていました(といっても、これもあくまでもマスメディア非難していただけですが)が、ヤジウマも現場に来ると何がしかの行動をするようになるのが常で、結局は汗水垂らして働いておられたようです。
はっきりいってボランティアに志願した動機なんて現地のものとしてはどうでも良く、物資の運搬に、瓦礫の除去にと手を貸してくれればありがたいのですよね。
実のところ、「ヤジウマ根性」という心理も、相互扶助の必然から生まれた文化によって自然と育まれるものなのかもしれないと私は思っています。
投稿: のんきんぐ | 2008年7月27日 (日) 05時18分
こんにちは。はじめまして。
エディタからきました。ANZUです。
よろしくお願いします。
災害地に総理が行っても、どうなんだろうねー。
ポケットマネーで寄付すれば、喜んでもらえるんだろうけどね。
行かないより、ましなのかな?
投稿: 15キロダイエット成功したANZU | 2008年7月27日 (日) 08時08分
私もそう思います。
私も昨年、中越沖地震の被災者です。当時の安部総理がすぐに 現地入りしたけど・・・
何かが違う!! そう思ったのを覚えてます。
実際 私も被災者同士、話をすること多かったけど
ありがたがってる人なんて一人もいませんでした。
震災はいつやってくるかわからない。
被災者にとって ほんとうに何が必要なのか。。。
報道関係者や政府は もっとしっかりとした目、判断をしていただきたいと 私も思いました。
阪神淡路大震災・・・・
ほんとうに 大変な思いをされたのですね。。。
被災しなければ わからないこと たくさんありますよね。。。。。。
地震速報が入るたびに 胸が痛みます・・・・・
投稿: sinceres | 2008年7月27日 (日) 16時54分
はじめまして(o*。_。)oペコッ
私も思いを書かせていただきますね。
①総理の被災地見舞いについて。。。
必要ないと思います。
かつては必要だったかもしれませんが
これだけリアルタイムに情報が入ってくる時代です。
信頼できる側近を数名送り込んで
実態を報告させればそれで済むことです。
被災地見舞いをするのであれば
事態が一応の安定を迎えて
仮設住宅暮らしなど
長期的な苦痛を強いられる
被災者への見舞いであれば
喜ばれると思います。
混乱している被災地に
SPが必要な政治家など
入るだけ迷惑だと思いますね。。。
混乱時に必要なのは
実戦部隊だけではないでしょうか?
②マスコミについて。。。
報道局はそれぞれが固有の思想を持っている
と言う事を前提に、情報はあくまで情報として
事実を手に入れた後は、自分の意思で
出来事の良し悪しを判断する事が
この情報氾濫時代では大切な事だと思います。
こちらにお書き込みのみなさんなら
なんら問題が無いと思うのですが
日本人は、テレビなどの公的な情報には
裏は無いと、無条件で信用してしまいがちな
素直な国民性を持っているような気がしますので
子供の内から判断力を培うための
教育も必要だと思います。
長文、失礼いたしました(o*。_。)oペコッ
投稿: みんと | 2008年7月28日 (月) 18時34分
>ANZUさん
『なぜ首相を赴かなければならなくなるか』というポイントが大切だと思うのですよね。
ヽ(^o^)ノ
>sinceresさん
中越沖地震ですか、それは大変でしたね。
日本は隅から隅まで地震列島ですからねー。今後もこういう事態はきっとあるのでしょうし、その緊迫した状況の中で、毎度こんな茶番が見せられちゃうと、たまりませんよね^^;
>みんとさん
ご意見ありがとうございます。
ヽ(^o^)ノ
①②とも思いは同じです。
新聞報道も偏っているのは同じなのですが、少なくとも情報量が多くて読者に判断の余地が「あった」と思うのですよね。
過去形にしたのは、年々文字数が減り、当然ながら情報量も減っているからですが、それでも新聞の報道はまだマシだと思うのですよ。
一番どうしようもないなのはテレビの報道番組で、これがもう選択の余地がないほど、どれもカスだと感じます。
やっかいなのが、似非ヒューマニズムの観点からあたかも『我々こそ庶民の見方です』というスタンスでものを言うところですねー。
それでも主張の内容が本当に国民のためになるならそれでも良いけれど、国民のレベルを下げて国を停滞させる方向にはっきりと偏向しています。
恐ろしいことだと思いますよ。
投稿: のんきんぐ | 2008年7月28日 (月) 19時40分
地震に関して、一国一城の総理大臣が、現地へ入ることへのご意見有り難う御座いました。
人それぞれの考えがあって当然だと思います
小生は、自分のブログにも書きましたが、行くべきだと考えております。
それは、なぜか
被災者に対して復旧への作業の力の入れ様が、
違うのです
どんな組織でも、同じだと思うのですが、
リーダーとしての役目は、何なのか
たとえば、結婚して、子供がいて
その我が子が事故に遭ったとの一方に、あなたならどうしますか
父親は一家の頭であり、その子の血を分けた親でもあります
心情的に行動に即移ることでしょう
現在に於ける情報は、昔と比べて非常に早い
しかし、リーダーとして、的確な指示を発する為には、
自らの目で確認し、的確に指令を発せなければなりません
日本には、副総理や官房長官がいますが、
この方がたが、総理よりの命令を受けて各種方面への適切な指令を発令する
言い換えれば、危機管理の上に立って物事を構築しなくてはなりません
総理としての最高責任者が現地へいち早く出向くのは、日本人気質として当たり前のことであり、今回は、現地がある程度落ち着いてからの現地入りでした
赤ちゃんは、ガッカリしました。
真のリーダーの資質にも劣る行動だとガッカリしました
こんな行動の取り方でいいのでしょうか
日本国の舵取りのトップが・・・
人それぞれの考えがあるのは百も承知です
あるのが当然です
それを上手くまとめるのがトップリーダーではないでしょうか
連絡係りは、参謀格の方でいいとおもいますが・・・
読者であるあなた様に対して、
見て見ぬ振りをするのが、失礼に当たるとして
ここに、赤ちゃんの個人的意見を述べさせていただきました。
最後に一言
あなた様の立派なご意見を、これからもブログを通じて
発言をしてくださることを希望します。
宜しくお願い申し上げます
有り難う御座いました。
投稿: 赤ちゃん | 2008年8月 1日 (金) 06時17分
コメントありがとうございます。
赤ちゃんさんのコメントを要約させていただくと、総理現地入りが必要とする理由は、
(1)復旧への力が増すから
(2)首相自らの目で確認すべきだから
(3)日本人気質・モチベーションの観点から必要だから
のようなものになると思います。
もちろん、この(1)~(3)は綺麗にわかれるものではなく、相互に関連したものですが。
私はこの3点全てにおいて全く違う意見です。
(1)については、総理の現地入り如何で復旧への力のいれようが変わるのであれば、それはむしろ、その体制を正すべきでしょう。
(2)については、現地入りによって、『総理が被災状況を肌で感じる』という程度の効果はあるかもしれませんが、実のところ大組織(なんせ国ですから)のリーダーたるもの、短時間の視察で肌で感じた情報などで、動いては困るのです。あまりにも誤差が大きく、組織の舵取りを誤るからです。
むしろ、リーダーが行動の基準にすべきものは、詳細な客観的調査報告、反感を買うことを承知で極めて冷たい言い方をするならば、『数字』です。
リーダーが自らが肌で感じた情報で機敏に運営しうる組織はせいぜい数名、多くて数十名の小グループまでだと思いますよ。
池のボートは漕ぎ手が目視した情報をもとに漕げばよいですが、大きな船になると、目視するもの舵を取るものが分かれ、GPS・レーダーなどのデジタルで客観的な情報を用いなければ安全に航行できないことを考え合わせれば御理解いただけるのではないでしょうか。
(3)についてですが、これこそ私がこの記事を書いた本題に近い部分にある問題点ですが、仰るところの『日本人気質』が私にはフィクションにしか見えないのです。
総理の行動が国民のモチベーションに影響を与えているわけではなく、『総裁の行動の報道のありかた』こそが国民のモチベーションを常によからぬ方向にねじ曲げている元凶であることを指摘させていただいたわけです。
もう一つ、非常に多くの方が誤解されていることだと思うのですが、総理という職業が、単純に具体的な作業レベルで考えてもハードワークであることを知っておくべきだと思います。
責任のある立場でお仕事をしておられる方なら、いきなり一日作業をストップさせられてしまうことがどれだけ大変なことか御理解いただけると思います。
誰にとっても1日は24時間。仕事の多くは一つ一つタイムリミットを持ちますから、一つ割り込みの仕事が入るだけで、物理的に消化困難になり大変な思いをするものです。
首相ともなると、割り込みの仕事でストップしてしまう仕事が国民生活、つまり『命』そのものにそのまま直結しています。
ちゃんとお考えいただければ大げさではなく、事実なのだと御理解いただけるかと存じますが、首相の行為選択は常に、誰を助け誰を見殺しにするかの二者択一を迫られ続けるに近いものがあるのです。
報道の生み出した『モチベーション低下』を救出するために、致し方なく首相が現地入りをせざるを得なくなるという構図は、極論すれば、『マスコミのために本来助かったはずの命を見殺しにせざるを得なくなる』という構図だと解釈してもあながち間違っていないように私には思えてなりません。
リーダーのあり方についてもう少しだけ補足します。
企業を経営したことのある方ならおわかりいただけるかと存じますが、経営者が社員がやるべき仕事を汗水たらして熱心にやっていると、ちょっと社員うけが良かったりするものではあるのですが、実のところそんな企業はつぶれます。
社員のモチベーションは別の形で維持すれば良いことで、経営者は経営の仕事に本気で取り組み続けるべきですし、実際、いくらやっても時間が足りないぐらい仕事があるものです。
経営者の本分は『社員のご機嫌とり』ではなく、経営の仕事を全うして、社員の生活を本当に豊かにすることだと思われませんか?
私の考えはこんなところです。
ヽ(^o^)ノ
投稿: のんきんぐ | 2008年8月 1日 (金) 16時58分