PCをウィルス感染させない方法は簡単です。
PCを一切ネットワークに接続せず、いかなるメディア(CD-ROMやDVDやUSBメモリやら)も挿入しなければ良いだけのこと。それさえ守ればいかなるクラッカーもあなたのPCを攻撃できないし、ウィルス感染など100%あり得ません。
もちろん、これはナンセンスな話で、現代社会におけるPCの存在意義はネットワークに接続してこそ見いだせるものです。まして、メディアも挿さないとなると、PCの中で作成したいかなる文書や画像もせいぜいプリントアウトするのが関の山。こうなってしまうと最早PCではなく「ワープロ専用機」です。
これではまさに「本末転倒」ですよね。
「PCをウィルスから守る」のは、そもそも「PCが役に立つ有用なもの」であり、「守る価値のあるもの」だからこそだったはずなのに、守ることを優先するあまり守る価値のない無用なものにしてしまっているわけですから。
馬鹿げた話だとお思いになるかもしれませんが、実はアンチウィルスソフトがこれに近いことをやってしまっているケースが少なからず見受けられます。
単純に費用対効果で考えてみましょう。
例えば仕事でパソコンを使うAさんが、1時間の作業で5千円稼ぎだすとします。
1日6時間仕事をするとして日給3万円。月に20日働くとして月収60万円です。
年収にして720万円稼ぐことになります。
ここで安全のためにアンチウィルスソフトを導入したところ、パソコンの動作が緩慢になり、1時間の作業で3千円しか稼ぐことができなくなってしまいました。
同じ時間だけ働くとしますと、月収36万円、年収にして432万円しか稼げないことになります。
何と、年収が288万円もダウンしてしまいました。
こうなって来るとどうでしょう。
もし、アンチウィルスソフトを導入しなかった場合にはこの一年間に2度ほどウィルス感染による大きな被害を被ったとして、果たしてそのために288万円も損をするのでしょうか。
大いに疑問です。
ウィルスの一種でCPUに過度の負荷をかけて、PCの動作を緩慢にするものがありますが、アンチウィルスソフトがまさにこのウィルスと同じことをしてしまっていては一体何がしたいのか良くわからないことになってしまいますよね。
かつて、アンチウィルスソフトの仕事は「指名手配犯の逮捕」でした。
指名手配されたウィルスをPCの中から探し出して「逮捕」したり「拘留」したりするだけでした。
のちに、インターネットの普及とともにアンチウィルスソフトの仕事に「国境警備」が追加されました。
PCに入ってくるデータ、出て行くデータを見張り、怪しいやつを出入りさせないようになったわけです。
そして今では、「現行犯の逮捕」まで行うようになっています。
PC上の全てプログラムを監視し、怪しい動作をした途端、その場でとっ捕まえようというわけです。
ここに至り、アンチウィルスソフトは指名手配犯(既知のウィルス)とその一味(類似のウィルス)だけではなく、初犯の犯人(未知のウィルス)までもを取り押さえることができる(かもしれない)ようになったわけです。
素晴らしいことだと思います。
でも、そのためにPCの速度を大きく損なったり、正常動作しないようにするぐらいならば、いっそノーディフェンスで感染時に対処したほうがマシというような馬鹿げたことになりかねません(もちろん、そんなことはおすすめしません!絶対にやめて下さい)。
そんなことを思うようになっていたこともあり、最近「軽い」と話題のウイルス対策ソフト「イーセットスマートセキュリティ」
を試してみる気になりました。
インストールしてみたところ、確かにとにかく動作が軽い。
「こんなことで本当にチェックしてるの?」と疑問を感じ、こんな時のために隔離して飼っているウィルスで試してみたら、確かにきちんと排除してくれましたが、どのウィルスでも本当に排除してくれるのかどうかは未だ良くわかりません。広告によると「2006/2007年度最優秀アンチウイルス製品」ということになっていますが、この評価を下したAV-Comparativesについて私は何も知りませんし、どこまでこの評価が正しいのか判断できません。
しかし、ただ一つ言い切れることは、有名どころのアンチウィルスソフトの中で、一番軽快に動作するのがこのイーセットスマートセキュリティだということです。他にも軽さをうたったものはあるのですが、試してみたところイーセットスマートセキュリティとは比較にならない重さでした。
私は冒頭に書いた費用対効果を何より重視するので、当面はこのスマートセキュリティを使い続けてみようと考えています。このまま1年間無事に済むようなら、万が一その後感染するようなことがあっても、十分にお釣りの来る軽快さだと考えるからです。
1ヶ月は無料体験できます。
興味のある方は試してごらんになってはいかがでしょうか。

「検出力」と「快適動作」を追求したウイルス対策ソフト
この記事は2008年7月に書いたものです。
この時点でイーセットスマートセキュリティの快適さは間違いなく抜きんでていました。
恐らく同業他者にも大きな衝撃を与えたのでしょう。この後、各社「軽さ」「快適さ」をアピールした新製品を出すようになってきました。現在(2011年3月)では、一体どのセキュリティソフトが良いのか、実際に試してみた結果を
「セキュリティソフトにはナンバーワンがある」にまとめましたので、興味がある方はぜひ御一読下さいませ。
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